以前書いた尾崎先生の「
石田三成」のブックレビューへの追記です。
前回、出版社によって内容が中途のままで終っている、と書いたのですが、実際のところは前編を書き上げ出版したところで従軍の為執筆が中断し、後編は書かれなかったそうです。時期的には第一次世界大戦の頃でしょうか。
一番最初に発行された「
石田三成」が
1938年中央公論社発行です。これが私が最初に読んだ本で、B5横型和綴じの旧仮名づかいです。(弘前市立図書館・秋田県立図書館確認)
続いて確認できたのが
1969年河出書房新社発行の「
国民の文学8 尾崎士郎」(秋田県立図書館確認)。この本には前出の「石田三成」の他に「高杉晋作」「私学校潰滅」の3編が収録されています。なのでもちろん石田三成は中途半端のまま。
ただ、この本の後書きにこの前半部分で終ってしまっている説明が載ってまして、それによると「石田三成」はそのままお蔵入りになってしまったものの、それを同テーマで新しく書き直したものが「
篝火」なんだそうです。
実はその後も同テーマで書かれた物が存在してまして、それがこの度の混乱の元となった
1972年廣済堂発行の「
石田三成」(秋田市立図書館確認)。この本の中には時間軸に沿って
「石田三成」「関ヶ原の夜明け」「雲と残月」「山河歳月」「春や昔大阪城」の5編が収録されています。全部が全部三成が主役、という訳でもなくて、大阪城なんかは真田親子が主役だったりします。関ヶ原、というひとつの時代をテーマとして、尾崎先生の独自の解釈と世界観が詰まっているので、読んでみたいと思う方は是非、こちらの本を探してみてください。
個人的には初版の和綴じ本も、旧仮名が味があって面白かったです。
でもって何度読んでも、左近の前で家康との戦を決意した事を告げて、それによって起こるであろう甚大な被害を思い苦悩し静かに涙する三成にホロっときます(苦笑)そして結城秀康の言葉に、真に自分の心を理解し心配してくれているのだと気が付き、嬉しさに涙を滲ませる彼にグラっときました(笑)
ヤバイ、ほんとに尾崎先生の三成可愛い過ぎ(笑)